アメリカンインディアンの教え   金子つとむ

     

アメリカンインディアンの教えに

次のような一節があります

あなたがもし

ものごとを循環として見るなら

そしてご自分の子どもたちのことを

心配しているなら

それがすなわち

あなたが常識にもとづいて

行動し始めたということです

   

アメリカンインディアンにとって

大地は子孫からの借りものです

それ故

何事かを決めるときには

それが七代先の子孫にどんな影響を及ぼすかを

予め考えるのだそうです

   

一世代を30年とすれば

7代先は210年先になります

もしわたしたちが

200年先の子孫のことを見越して

原子力政策を考えたら

どうなるでしょう

   

低レベル核廃棄物の

管理年数は300年

高レベルともなれば数万年

そんなことを

相談できない子孫を差し置いて

わたしたちが勝手に決めてしまって

いいのでしょうか

あまりにも

無責任ではないでしょうか

   

かつての日本人は

魚でも山菜でも

毎年自分たちが戴く分を

わきまえていました

そうすることで

持続的な採取が可能だと

知っていたのです

そうやって

海や山の恵みを

子孫へと引き継いできたのです

   

放射能で汚染された海の魚は

いつなったら元に戻るのでしょう

汚染された森の山菜や茸は

いつになったら元に戻るのでしょう

放射能の許容レベルをゆるくして

ただ食べられるように

しているだけで

もはや昔の魚

昔の山菜や茸ではないのです

   

わたしたちは

祖先が残してくれた

福島の大地を

福島の海を

子孫へ引き継げなかったのでは

ないでしょうか

福島の原発事故を直視し

その意味を見据えたあとでなければ

わたしたちは

けっして前へ進めないはずです

   

原発の再稼働を認めることは

核のごみを増やし続けることを

黙認することです

未来の子どもたちへの負担を

際限なく増やしていくことを

容認することなのです

そう気づいたら

もう原発を止めるしかありません

わたしたちも常識にもとづいて

行動しませんか

わたしたちの子孫のために

アメリカンインディアンの

教えのように・・・

かつて

日本人が

そうだったように・・・